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司牡丹酒造の憲法(クレド)

この憲法は、司牡丹酒造株式会社の全社員が共有する信条です。私たちは、憲法に表現された価値観を自分のものとして受け入れます。そして憲法に基づき判断・行動します。

一.笑顔の力・挨拶の力

小さな子供から笑顔でニッコリ微笑まれると、疲れなど吹き飛んでしまうでしょう。笑顔にはそれほどのパワーがあるのです。そんな純粋な笑顔ができる人は、それだけで人を奮い立たせる偉大な力を持っているということです。そして、気持ちのいい素敵な挨拶をされると、とても気持ちがよくなるでしょう。私たちは気分のすぐれない時にこそ子供のような純粋な笑顔で、気持ちのいい素敵な挨拶をします。相手の気持ちも自分の気持ちもよくなり、会社全体の雰囲気もよくなります。

二.気持ちのキャッチボール

会話は気持ちのキャッチボールです。想いを投げて、投げ返してもらう。その繰り返しです。ボールが相手に届かなかったり、暴投したり、強く投げすぎたり、もらったボールを投げ返さなかったりしたのでは、意思の疎通をはかることは出来ません。私たちは、いかなる場合でも言葉を選んで、投げっぱなし、受けっぱなしにならないように務めます。

三.報・連・相

私たちは、仕事を進めていく上で、常に「報告・連絡・相談」を重視します。どんな小さな事でも、全体で情報を共有化した方がよい思われる事は、「報・連・相」します。部下から上司へのみでなく、上司から部下へ、同僚同士、自部署から他部署へ、様々な「報・連・相」を実践します。「報・連・相」とは、いわば会社の神経伝達回路であり、会社全体で価値観を共有するための前提でもあるのです。

四.和して同ぜず

全ての基本は「人」にあり、人間関係の醸成から始まります。私たちは、常に心を開いた飾らない裸の付き合いを心掛け、素晴らしい人間関係を醸成します。これを「和」といいます。ただし馴れ合いの同調意識は歓迎しません。これを「和して同ぜず」といいます。私たちは「和して同ぜず」の人間関係を醸成していきます。それが真のチームワークとなり、気持ちよく働ける環境づくりにつながり、あたたかくて一体感があって、一本筋の通った雰囲気の良い会社をつくるのです。

五.責任の範囲

失敗する人は、失敗を他人や環境のせいにします。一方成功する人は、失敗を自分のせいであると考え、「もっとこうすればよかったのでは」と反省します。こうした態度の違いが長い間に大きな差となり、失敗者と成功者を分けるのです。成功する人とは、自分の責任の範囲が広い人です。私たちは皆、責任の範囲が広い人間です。失敗を自分のせいであると考え、反省します。

六.習慣の力

習慣の力は最強です。私たちは、良い習慣を増やし、悪い習慣を減らします。良い習慣を増やすコツは、一大決心をしようと思わないことです。これくらいなら簡単だと思えるような小さなことを、毎日継続し続けるのです。その継続が当たり前のように感じられるようになれば、それは習慣になります。そしてまた次の小さなことにチャレンジします。これが永年積み重なれば偉大な力になるのです。

七.精神レベル

相手に腹が立つのは自分が相手と同じ精神レベルにいるということで、自分の精神レベルが高ければ腹は立ちません。小さな子供の言うことに本気で腹を立てる大人がいないのと同じことです。自分の精神レベルが上がれば少々のことで腹は立たなくなり、相手の良い部分とだけつきあえるようになります。私たちは常に精神レベルを上げていくように日々考えながら活動します。

八.プラスのパワー

精神レベルを上げていくためには、日々徳をつんでいかなければなりません。徳を積むとは、プラスのパワーを貯めるということです。つまり日常の些細なことでも、周りや世の中にとって良いと思われることをほんの少しでも実践するということです。実は簡単なことなのです。そしてその簡単なことを、平凡なことを、毎日毎日実践し継続することが、非凡への道であり、大きなプラスのパワーとなるのです。私たちは毎日毎日プラスのパワーを貯めていきます。

九.マイナスのパワー

世の中のほとんどの人が、自分に関係のないことや本当はどうでもいいような小さなことに腹を立て、イライラしています。そのイライラが自分にマイナスのパワーを引き寄せてしまうのです。せっかく貯めたプラスのパワーをそんなことで減らしてはもったいないでしょう。私たちは小さなイライラに気づいたら、素直な気持ちになり、爽やかな風のように、澄んだ清流のように、サラサラと流してしまいます。自分の中にマイナスのパワーを貯めないよう、常に心掛けます。

十.言葉の力

私たちは、言葉には偉大な力があることを理解し、自分の話す言葉に注意します。日常的に話す言葉が自分の運命をつくるということを知っているからです。恨みや妬みや怒りの言葉を口に出すということは、世の中に毒を撒き散らすのと同じことです。これを「口害」といいます。私たちは常に、明るい幸せの言葉を口から出します。それが自分の、周りの、世の中の幸せにつながります。これを「口福」といいます。

十一.感謝の法則

私たちは全ての最初の一歩を、今に感謝することから始めます。感謝の法則は「タマゴとニワトリ」です。まずは何事もない毎日に感謝します。今日も自分が生きていること、太陽が昇っていることなど、当たり前のことに感謝します。すると感謝するようなことがやってきます。それにまた感謝する。これの繰り返しです。どちらが先かなど考えず、まずは最初の一歩を踏み出します。本当は感謝するのに条件など全く必要ないのです。

十二.感謝の言葉

「ありがとう」という感謝の言葉をかけただけで、水の結晶がまるで雪のようなキレイな結晶になることが分かっています。日本酒は80%が水です。人間も70%は水です。私たちは常に意識して感謝の心を持ち、「ありがとう」と口に出し、日々の仕事に従事します。日本酒も人間も、素晴らしい結晶をつくるでしょう。

十三.働く幸せ

人間の究極の幸せは、次の4つであると言われています。(1)愛されること(2)誉められること(3)役に立つこと(4)必要とされること。そしてその全ては、働くことによって手に入れることができます。働くということは、究極の幸せを手に入れる手段でもあるのです。私たちは、自らも、他者も、この究極の幸せを手に入れられるような働き方をします。

十四.日常業務

日常の慣れた業務の中にこそ、改善すべき点が潜んでいます。私たちはそれに気づき、常に改善を加えながら、日常業務を行います。そしてたとえ単純作業であっても、決して雑務とは考えず、決して手を抜かず魂を込めて行います。どんな単純な作業でも魂を込めて行えば、それは必ず商品の、そして会社の品質アップにつながるのです。

十五.失敗する勇気

私たちはできない理由を探しません。できる可能性が少しでもあれば、失敗を恐れず行動します。行動力とは失敗に直面できる勇気のことだからです。失敗したら「またひとつうまくいかない方法を発見した。つまり、また一歩成功に近づいたということだ」と考えます。

十六.人に良い「食」

人に良いと書いて「食」になります。私たちは人を良くするための食品をあつかう会社の社員です。また、「人は食べたものに似る」といいます。人間の60兆もの細胞の90%は約90日で生まれ変わっているといい、それはその間に食べたものからつくられているのです。私たちは、そんな生命をあずかる職業に従事しているという意識を常に念頭におき、モノの本質を観る眼を養い、中途半端でない徹底したこだわり意識をもって業務にあたります。そして消費者に全てを話せる製品づくりを実践します。

十七.ダントツの品質

私たちは、圧倒的に他を引き離すダントツの品質に挑戦し続けます。ただし、それは高価なものばかり目指す高級志向ではありません。地元の支持、地盤あってこその地酒です。私たちは、地元の普通のお客様から支持される普通の商品においても、その価格帯におけるダントツの品質に挑戦し続けます。そして品質とは、製品それ自体の品質はもちろんのこと、それに付随する全ての質のことです。私たちは、熨斗や包装紙の小さな汚れひとつ、会社の周囲の小さなゴミひとつでも、品質を落とすと考えます。

十八.品質と価値

品質がいくらよくても、そのままではお客様にとっては価値の潜在型にすぎません。私たちはその品質を、「お客様にとっての価値」として伝える分かりやすい言葉や方法を常に考え、実践します。「お客様にとっての価値」とは、例を挙げるなら「四季の愉しさ」であり、「健康」「豊かさ」「癒し」「ねぎらい」等であり、究極的には「幸福」です。私たちはお客様の「幸福」のために、全ての事業活動を行います。

十九.お客様の本心

私たちはあらゆる場面で、常に意識してお客様の声を集めます。「悩んだらお客様に訊け!」と言われるように、お客様の声は大変重要です。しかし、だからといってそのまま鵜呑みにはしません。お客様の声には翻訳が必要な場合が多いからです。例えば「飲みやすいものがいい」という声は、実は私たちが考える「飲みやすいもの」とは違う場合が大半なのです。私たちはお客様の言葉にできない本心を理解しようと努め、それを翻訳します。さらに、常にあらゆる業務の中から、お客様が不安に感じることやリスクを感じることなどを徹底的に探し出し、それを取り除きます。

二十.応対

私たちは、電話であれ直接応対であれ、その相手が仕入業者であっても、同業者であっても、最高のVIP客に対する場合と同様の心掛けをもって応対します。相手の立場によって態度を変える人間は、最終的には信用されないのです。ただし、明らかに悪意を持った、変な因縁をつけてくる相手に対しては別です。私たちは成熟した大人同士の付き合いを重視します。そのような性質の悪い相手とは取引しません。そのような相手の戯言はサラリと受け流し、感情的になることなく、爽やかにお断りします。上司はそのような無礼な相手から、「司牡丹の憲法」に基づき行動する社員を守ります。

二十一.環境意識

私たちは事業活動において、地球環境の継続的改善と汚染予防による保全が最も重要な課題の一つであることを認識し、省エネルギー・省資源に取り組み、地球環境を守ります。そして「環境方針」「環境目的」「環境目標」を定め、「環境マネジメントシステム」を確立します。特に水は、人間にとっても日本酒にとっても命の源です。私たち、この美しい大自然に恵まれた高知の清浄な水を、つまりは山を、川を、海を、自分たちのためにも子孫たちのためにも、守り続けます。

補足

この憲法は「不磨の大典」として崇める不動の存在ではありません。時代環境の変化や会社・社員の成長に合わせて、変化していくべき存在です。私たちは常にこの憲法を意識し、訂正・追加・削除を施し、新しい生命を吹き込み続けます。

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