皆さん、こんにちは。
おいしいものが大好きな、土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の竹村です。
あなたは【おいしいものをさらにおいしくして食べたい!】
と思いませんか?
このメルマガは、日本の旬の本当においしいものをご紹介し、
さらに一層おいしくして楽しむ秘訣も併せて、
月1回程度のペースでお届けいたしております。
さて、5月も末となり、四国地方は例年よりかなり早めに梅雨入りしました。
そして土佐の高知の昼間は、蒸し暑い日が増えてきましたが、
まだ朝夕は涼しかったりと、昼間との気温差が10℃以上もあったりして、
体調を崩してしまいかねません。
さて、そんな時期に取り上げたいの旬の食材は……
薬味パワーで夏の体の不調を乗り切る、茎ミョウガです。
ミョウガは、湿った土壌で育ち、土の中に茎を伸ばして成長していきます。
普段私たちが食べているミョウガはツボミの部分で、
収穫されたものの上のツボミだけが出荷され、
下の茎の部分は通常廃棄されていました。
その切り落とされた茎の部分だけを集めたものが茎ミョウガで、
味や食感はツボミの部分と何ら変わりませんが、
価格はかなりお手頃で、ツボミの3個入りパックと同じくらいの価格で、
袋いっぱいに入っています。
私が買ったのも、山盛り入った1袋で130円でした。
ミョウガは、高知県が日本の中で9割のシェアを占めていますから、
高知以外では手に入りにくいかもしれませんが。
さて、茎ミョウガの栄養価や効能などについては、
基本ミョウガと同じですから、
以下はミョウガについて記載させていただきます。
ミョウガは、クーラー病による冷え性改善や、
夏バテ防止にも効果があるとされており、
日本でしか食用とされていない香味野菜です。
その旬は年2回だそうで、5月から7月のものを「夏ミョウガ」、
8月から10月ころのものを「秋ミョウガ」と呼ぶようです。
ミョウガの生産量・品質ともに日本一といわれる高知県産は、
通年のハウス栽培が多く、
我が町佐川町のお隣の須崎市が名産地となっています。
ミョウガの成分としてはビタミンCやカリウムを含んでおり、
発汗を促したり、呼吸や血液の循環を良くしたり、熱を冷ましたり、
解毒効果もあるようですので、夏バテなどにも良さそうです。
また、冷え性に効果があるとしてよく取り上げられたりもしますが、
その栄養素とはα-ピネンです。
α-ピネンは、「ファイトケミカル」という植物のみに含まれる、
抗酸化作用に優れた第7の栄養素として、近年注目を集めているのだとか。
そして、α-ピネンの効果・効能としては、
生活習慣病の予防、消化促進、眠気覚まし、血行を良くする、
夏風邪予防などがあるようで、
これはなかなか凄い栄養素なのではないでしょうか。
また、「ミョウガを食べると物忘れがひどくなる」
という俗説がありますが、栄養学的にみても全くそんなことはなく、
逆に近年は、α-ピネンには集中力を増す効果もあることが
明らかになっているようですから、
むしろ「ミョウガを食べると頭がシャキッとする」と言えるようです。
ちなみに、ミョウガにちなんだ
ちょっとしたウンチク話もご紹介しておきましょう。
お釈迦様の弟子の1人に周利槃特(しゅりはんどく=チューラパンタカ)
という人がいました。
この弟子は、たいへん頭が悪く、自分の名前すら忘れてしまうほどで、
自分の名前の札を首からかけていたといわれています。
それほど物覚えが悪いものですから、
当然お釈迦様の教えも、何回聞いても覚えられません。
そこでお釈迦様は、周利槃特に1本のホウキを与え、
「塵を払い、垢を除かん」とだけ唱えさせ、
毎日ひたすら掃除だけをやらせたといいます。
こうして周利槃特は、ナント!
最終的には悟りの境地に達することができたというのです。
そして彼の死後、その墓のあたりから見慣れない草が生えてきて、
彼が生前自分の名前を荷物みたいに下げていたということから、
この草は「茗荷(みょうが)」と名付けられたということです。
この話から、ミョウガを食べると物忘れがひどくなるという
俗説が生まれたらしいといわれています。
こんな話を聞くと、なんだかミョウガを食べると物忘れどころか、
悟りが開けそうな気になってきませんか?
また、ミョウガは「冥加(みょうが)」
(知らない間に受ける神仏のご加護の意味。)に通じるということから、
縁起が良いとして家紋などにもよく使われるということです。
以上ミョウガにちなんだ、面白いウンチクネタでした。
では早速、茎ミョウガを使ったおいしい料理をご紹介しましょう。
「茎ミョウガとキュウリの梅シソ和え冷奴」です。
まず、茎ミョウガとキュウリとシソを、細切りにします。
これらをボールに入れて、梅干しの種を取って叩いたものと、
ゴマ油と出汁醤油(めんつゆでもOK)を加えて混ぜ合わせ、
冷奴の上にタップリ乗せればれば出来上がり。
メッチャ簡単な夏の酒肴、
「茎ミョウガとキュウリの梅シソ和え冷奴」の完成です!
そして、この料理のおいしさをさらに倍増させる旬のお酒は、
4月中旬から出荷開始となっている今が旬の、毎年大人気の夏限定季節商品、
「ブルー船中」こと、「船中八策・零下生酒」(超辛口・純米生酒)です!
春先に搾ったばかりの「船中八策」の生酒を、
一切加熱処理をしないまま瓶詰めし、
マイナス5℃以下の零下にて瓶貯蔵したもの。
口中で軽快なうま味が心地良いほどなめらかに膨らみ、
後口は爽やかにスパッとキレる、
抜群のキレの良さを持つ超辛口の味わいは、初夏にピッタリです!
特に初夏が旬の爽やかさを持つ料理には、最適といえるでしょう。
では早速このお酒を、
「茎ミョウガとキュウリの梅シソ和え冷奴」と合わせて、
ペアリングにていただいてみましょう。
まずは「茎ミョウガとキュウリの梅シソ和え冷奴」を一口……パクリ……
うん!おいしい!まさに爽やかな初夏の味わいです!
ミョウガ独特の爽やかな風味とホロ苦味、
キュウリの瑞々しいおいしさとシャキッとした食感、
梅干しの酸味と塩味、シソの香り、
ゴマ油の香ばしさ、出汁醤油のうま味と塩味などが見事に融合し、
大豆を凝縮したような豆腐のコクとうま味が、一層引き立ち、
これは間違いなく日本酒、それも生酒を、口が舌が要求してきます!
そこに、キーンと花冷え(10℃程度)に冷やした
「船中八策・零下生酒」をキュッと……
うわっ!お酒のおいしさがグッと際立つ!
口中に残っていた、茎ミョウガのホロ苦味、キュウリの風味、
梅干しの酸味、シソの香り、ゴマ油の香ばしさ、
出汁醤油のうま味と塩味などが、
「船中生酒」の軽快でなめらかなうま味を、一層際立たせたかと思うと、
それらの味わいの融合を口中いっぱいに膨らませて、
後口は潔いほど爽やかにスカッと切ってくれます。
すると、今度は口が舌が、この料理のもう一口を要求してきます。
もう一口料理を食べれば、口が舌が、
当然のごとく「船中生酒」のもう一口を要求してきます。
これは間違いなく、交互にやると止まらなくなる、
無限ループの危険性を持つ、初夏の最強ペアリングの1つといえるでしょう!
春夏秋冬、山川海、四季折々のおいしい旬の食材に恵まれた日本。
それら旬の食材を、より一層おいしくしていただきましょう。
そしてそのために、日本酒を上手に活用しましょう。
そんな食生活こそが、あなたの人生を健康で楽しくし、
10倍豊かなものに変えてくれることでしょう。
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