皆さん、大変遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
おいしいものが大好きな、土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の竹村です。
令和5年最初のメルマガ、本年も何とぞ宜しくお願い申し上げます。
さて、あなたは【おいしいものをさらにおいしくして食べたい!】
と思いませんか?
このメルマガは、日本の旬の本当においしいものをご紹介し、
さらに一層おいしくして楽しむ秘訣も併せて、
月1回程度のペースでお届けいたしております。
さて、大寒も過ぎ、立春が目の前という1月末になりました。
1年でもっとも寒さが厳しいといわれるこの時期、
1月24日には大寒波にみまわれ、我が町佐川町にも雪が降り積もり、
昨年12月23日の歴史的大雪の再来かとあせりましたが、
今回は大したこともなく、ホッと胸をなでおろしています。
そして、そんな寒い時期になると無性に食べたくなる、
土佐ならではの旬の名物珍味があります。
それは「フカの鉄干し」、つまりサメを天日干しにした干物です。
元々は、鉄のように硬いことから「鉄干し」と名付けられたようですが、
近年はそこまで硬くは干さないようで、表面はカラリと乾燥させ、
中身はしっとりとさせているようです。
これが、スルメのように、噛めば噛むほどうま味が染み出してきて、
日本酒の肴として最高の逸品になるのです。
ちなみに通常「鉄干し」には、モウカザメ(ネズミザメ)の身を使うのですが、
今回はワンランク上の高級品アオザメ(土佐ではマイラと呼ぶ)の身を使った、
「マイラの鉄干し」をご紹介させていただきましょう。
土佐の高知のうまいものがズラリと揃う、
「すえひろ屋」(https://www.suehiloya.com/ )にて、購入させていただきました。
ちなみに、アオザメについては詳しいデータがなかったため、
代わりにモウカザメ(ネズミザメ)の栄養素などについて調べてみました。
サメは、牛・豚・鶏などの畜肉と比べ、低カロリー高タンパクで、
魚介類の中でもカロリーは低い方なのだそう。
主な栄養素は、タンパク質・脂質・DHA(ドコサヘキサエン酸)
・鉄分・ビタミンB6・ビタミンB12など。
DHAには、免疫反応の調整や脂肪燃焼の促進などの様々な働きがあり、
ビタミンB6は、アミノ酸の代謝を助け、
タンパク質からのエネルギー生成を補助する働きや、
免疫機能を正常に維持する働きなどがあります。
鉄分は、貧血予防などに効果があり、脂質は身体を動かすパワーの源で、
タンパク質は丈夫な骨を作ったりする働きがあるといわれています。
サメは、意外に豊富な栄養素を含んでいるといえるのではないでしょうか。
また、サメは古名を「鰐(わに)」と言い、
「古事記」などの神話にも登場するなど、
神代の時代から日本人にとって身近な存在だったようです。
有名な「因幡の白兎」に登場する「わに」は、実はサメだったのです。
そして、古来よりサメの干物は、
伊勢神宮の大きな祭典に欠かせない神饌のひとつにもなっているのだとか。
サメを食べる習慣は古くからあり、
全国の内陸部を中心に、今でも一部に残っているようです。
なぜ沿岸部ではなく内陸部なのかというと、
サメ肉は、トリメチルアミン-N-オキシドと尿素の含有量が多く、
保存がきくためで、2週間ほど経過しても、刺身として食べられるほど。
冷蔵技術が未発達だったその昔、
サメ肉は山間部において大変重宝されたのだそうです。
しかし全国的には、サメを食べるというのは、やはり珍しいよう。
つまり、土佐の「フカの鉄干し」は、
日本古来の希少な伝統食が、今も残ったものであるといえるでしょう!
では早速、そんな「フカ(マイラ)の鉄干し」を、焼いていきましょう!
本当は炭火といきたいところですが、今回はコンロで焼き上げました。
また、本当は熱々をワイルドに手でさきながら食べたいところですが、
今回は上品に、一口サイズに包丁でカットさせていただきました。
外側は、少し焦げ目がつくくらいパリッと焼き、
内側はやわらかくジューシーに、うまく焼き上がりました!
そして、この旬の「フカの鉄干し」のおいしさを、
さらに倍増させていただくには……
この時期旬の日本酒を合わせていただくこと、ですよね!
今回は「司牡丹・土佐の超辛口本醸造・しぼりたて」(超辛口・本醸造生酒)
を用意させていただきました。
南国土佐の太陽のようにカラリと晴れ渡るおいしさの
「土佐の超辛口本醸造」の、冬限定「しぼりたて生酒」バージョンは、
柑橘類を彷彿とさせるフレッシュな含み香と鮮烈な味わいが特徴です。
そのコストパフォーマンスの高さは、
「このおいしさでこの価格!?」との驚きの声が、
毎年全国から聴こえてくるほどなのです。
ではいよいよ、「フカの鉄干し」を一口……パクリ……
うん!おいしい!少しはアンモニア臭があるかと思っていましたが、
そんな感じはまったくなく、外側はパリッと硬めで、
内側はやらわかくジューシーで、
噛めば噛むほど口中にうま味が膨らんでいきます!
そして、やや強めの塩分により、
口が日本酒を欲しがっているのが、ハッキリと感じられます!
そこに、凉冷え(15℃程度)に冷やした、
「土佐超・本醸造・しぼりたて」をキュッと……
「くぅぅぅ~~~っっっ!!」タマラン!
このお酒の、柑橘類を彷彿とさせるフレッシュな含み香と鮮烈な味わいが、
口中に残る「フカの鉄干し」のジューシーなうま味と塩味を、
口中いっぱいにあふれんばかりに増幅させたかと思うと、
後口はキリッと引き締まるように、爽やかに切ってくれます。
すると口が再び、「鉄干し」を要求してきます。
そこでもう一切れ、「鉄干し」をパクリ。
すると口が再び、このお酒を要求してきます。
そこでもう一口、「土佐超しぼりたて」をキュッと。
「鉄干し」「しぼりたて」、「鉄干し」「しぼりたて」、
「鉄干し」「しぼりたて」、「鉄干し」「しぼりたて」……
当然、箸も杯も、交互にやると止まらなくなってしまいます!
「フカの鉄干し」は、まさに日本酒の肴としてこの世に生れたような、
そんな絶品の冬の珍味であるといえるでしょう!
春夏秋冬、山川海、四季折々のおいしい旬の食材に恵まれた日本。
それら旬の食材を、より一層おいしくしていただきましょう。
そしてそのために、日本酒を上手に活用しましょう。
そんな食生活こそが、あなたの人生を健康で楽しくし、
10倍豊かなものに変えてくれることでしょう。
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