皆さん、こんにちは。
おいしいものが大好きな、土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の竹村です。
あなたは【おいしいものをさらにおいしくして食べたい!】
と思いませんか?
このメルマガは、日本の旬の本当においしいものをご紹介し、
さらに一層おいしくして楽しむ秘訣も併せて、
月1回程度のペースでお届けいたしております。
さて、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が発令され、
全国的に外出自粛の「巣ごもり生活」という、
前代未聞のゴールデンウィークとなってしまいました。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか・・・
などの言葉も使いづらくなっていますが、
しかしここはストレスをためないようにして、
何より免疫力を上げておくことが肝要でしょう。
そこで今回は、免疫力アップ効果が期待でき、
春から初夏にかけての旬の薫風の爽やかさが味わえ、
薬膳風であり、かつ簡単に作れる、
「フキのキンピラ」をご紹介させていただきましょう。
さてまずフキですが、キク科フキ属の多年草で、
日本原産で近縁種の少ない独特の野菜のひとつであり、
山菜のひとつでもあるのだそうです。
ちなみに春の山菜として珍重されるフキノトウは、
春一番に出てくるフキのツボミのこと。
そして、フキの食用とされる部分は、
「茎」と思っている人が少なくないかもしれませんが、
実際にはフキの「茎」は地中に伸びている部分で、
食用にする部分は「葉柄(ようへい)」というのだそう。
またフキは、平安時代から野菜として栽培されていたそうで、
現在も全国各地で栽培されていますが、
自生している野性種も全国の山野や土手など、
いたるところで見つけられるのだそうです。
最も多く出回るのは、3月から5月までだそうですから、
旬はやはり春から初夏にかけてということになるでしょう。
次にフキの栄養素や効用については、
水分が多く栄養分としては少ないと言われていますが、
食物繊維やカリウムやマンガンが比較的多く含まれいるのだとか。
食物繊維には便秘を解消したり、
高血圧や動脈硬化の予防効果がありますし、
カリウムは、余分なナトリウムを体外に排泄促進しますので、
高血圧症状の改善に役立つと言われているのだそうです。
またマンガンは、主に肝臓や骨の酵素の働きを活性化させる役割を持ち、
骨の生成を促すと言われているのだとか。
さらに最近注目されているのは、
フキ独特の香り成分や苦み成分なのだそうです。
まず香り成分は、せき止め、たん切り、
消化などに効果があることが昔から知られ、
漢方では、せき止め、健胃、
浄血などの薬効成分として活用されてきたのだそう。
そして苦み成分は、クロロゲン酸というポリフェノールの一種の成分で、
抗酸化作用があるため、
動脈硬化やガンや老化を予防する働きがあるのだそうです。
栄養分は少ないといいながら、なかなかやるじゃないって感じでしょうか?
そしてフキ料理のポイントは、やはり下ごしらえ。
フキはアクが強いですから、
いかにホロ苦さを残しながらもアクを抜くかがポイントです。
そのために、まずは「板ずり」という作業をするのだそう。
では早速、「板ずり」をやってみましょう。
まな板の上で、塩をまぶして、
手のひらでゴロゴロと転がして塩をこすりつけます。
これは、色をよくするためと、
アクを染み出しやすくするためなのだとか。
塩が充分なじむまで、ゴロゴロするのだそうです。
そして大きめの鍋にたっぷりのお湯を沸かし、熱湯で茹でます。
茹で時間はフキの太さややわらかさにもよりますが、
5分くらいでしょうか。
茹であがったら、すぐに冷水に落とし、一気に熱をとります。
冷たくなるまで水を交換しながら冷やしたら、皮をむきます。
この作業がちょっと面倒なのですが、
スーッと皮がむけたらとっても気持ちがいいもんです!
この後は水にさらすのですが、
この時フキを少しかじってみて、まだアクが多いようなら長めにさらし、
アクが少ないようなら短めにさらすというのがコツのようです。
通常は20分程度でしょうか。
さて、これで下ごしらえの完了です。
ではいよいよ、「フキのキンピラ」です。
用意するのは、フキと塩の他に、ニンジンと、
醤油、オリゴ糖、ゴマ、ゴマ油、鷹の爪です。
まず、下ごしらえを終えたフキを3cm程度の長さに切り、
さらに縦に半分の太さに切ります。
次にニンジンも同様に、3cm幅の千切りにします。
続いてフライパンにゴマ油を入れて、ニンジンを炒めます。
ニンジンに火が通ったら、フキを加え、
かき混ぜながら、
すぐにオリゴ糖、醤油、刻んだ鷹の爪、ゴマを加え、
よく混ざったら、もう完成です。
下ごしらえは手間がかかりますが、調理としては簡単ですね。
では早速、皿に盛り付けて、いただいてみましょう。
では、皿に盛り付けて・・・と。
いただきます。・・・パクリ。
・・・うん。おいしいです!
まずフキのシャキシャキの食感とニンジンのコリコリの触感共に、
甘辛さとゴマの風味が口中に広がり、
ワンテンポ遅れてフキのホロ苦さが鼻に抜けるように訪れます。
後口は、今頃の季節に吹く薫風のように、
心地よいイメージといえるでしょう。
・・・ということで、この料理のおいしさを、
さらに倍増させていただくには・・・
この時期旬の日本酒を合わせていただくこと!・・・ですよね!
今回は、「船中八策・零下生酒」(超辛口・純米生酒)
を用意させていただきました。
このお酒は、司牡丹の人気ナンバーワン商品「船中八策」の
夏期(4月中旬頃より出荷開始)限定の生酒バージョンです。
春先に搾ったばかりの「船中八策」の生酒を、
一切加熱処理をしないまま瓶詰めし、
マイナス5℃以下の零下にて瓶貯蔵したもの。
口中で軽快な旨みが心地良いほどなめらかに膨らみ、
後口は爽やかにスパッとキレる、
抜群のキレの良さを持つ超辛口の味わいは、初夏に最適です!
特に初夏が旬の爽やかさを持つ料理には、最適といえるでしょう。
では早速このお酒を、「フキのキンピラ」と合わせて、
ペアリングにていただいてみましょう。
「フキのキンピラ」をいただいた後に、このお酒をキュッと・・・
おお!まさに薫風のイメージが倍増!
このお酒の中には、ほんのわずかですが、
甘味と酸味とホロ苦さが潜んでおり、
それらの味わいがこの料理の甘辛さとホロ苦さの輪郭を、
より鮮明に浮かび上がらせてくれます。
そして、フキ独特の爽やかな味わいとニンジンの旨味を、
グッと引き出して膨らませてくれ、
そして後口は、まさに薫風が吹き抜けるかのように、
サーッと爽やかに消えていく・・・。
するとまたこの料理が食べたくなる!
食べたらまた飲みたくなる!
食べて飲んで、食べて飲んで・・・
箸も杯も止まらなくなってしまいそうです!
この時期になると、またきっといただきたくなる、
そんな料理とお酒のマッチングといえるでしょう。
春夏秋冬、山川海、四季折々のおいしい旬の食材に恵まれた日本。
それら旬の食材を、より一層おいしくしていただきましょう。
そしてそのために、日本酒を上手に活用しましょう。
そんな食生活こそが、あなたの人生を健康で楽しくし、
10倍豊かなものに変えてくれることでしょう。
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