皆さん、こんにちわ。
おいしいものが大好きな、土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の竹村です。
あなたは【おいしいものをさらにおいしくして食べたい!】
と思いませんか?
このメルマガは、日本の旬の本当においしいものをご紹介し、
さらに一層おいしくして楽しむ秘訣も併せて、
月1回程度のペースでお届けいたしております。
さて現在、佐川町上町の司牡丹本社周辺では、
「第10回さかわ・酒蔵の道ひなまつり」
<2月24日(土)~3月4日(日)10:00~16:00>が開催されており、
町内がいつもより華やかで、ひなまつり気分が満開になっています。
古民家や歴史的建築物等に展示されている昔ながらのお雛様の美しさを、
是非たくさんの方々にご覧に来ていただきたいものです。
そして、そんな早春の時期に旬の名残りを迎える、
土佐の高知を代表するおいしい果物があります。
その果物とは・・・土佐文旦(ぶんたん)です!
5年ほど前の1月にも、「土佐文旦の生ハム巻き」
をご紹介したことがありましたが、
今回も、前回同様調理が簡単で、しかもおいしい、
「土佐文旦のチリメンジャコ和え」をご紹介させていただきましょう。
文旦は、蜜柑科ミカン属ブンタン類で、
元々の原産地は中国や台湾と言われ、
江戸時代に日本に伝わったと言われているのだそうです。
そして土佐文旦は、日本に40種類ほどある文旦の中でも、
爽やかな香りの高さと食味の良さは、
他より数段上と言われているのだとか。
1個400g~600gと大きな果実が特徴の土佐文旦は、
昭和4年に開設された高知県農事試験場の玄関に1本だけ植えられていた
「法元文旦」の原木が始まりで、
高知県で栽培されている文旦はすべて、
この木からスタートしているのだそうです。
また、土佐文旦にも種類があります。
まず9月頃から収穫が始まり10月~11月が旬になるのが「水晶文旦」で、
こちらは土佐文旦を片親とした交配種で、ハウス栽培され、
濃厚な甘さと果汁の多さが特徴。
続いて、10月頃から収穫が始まって11月~12月頃が旬になるのが
「ハウス文旦」で、露地物と比べて糖度が高く、皮が薄いのが特徴。
そして12月~1月に収穫され、1~2ヶ月ほど追熟させ、
1月~2月頃に旬となるのが、今回取り上げる「土佐文旦」で、
自然のまま露地栽培されているものをこう呼ぶのだそうです。
露地物の「土佐文旦」は皮が厚めで、
果肉がしっかりしまってプリプリの食感で、
糖度は低めですが独特の爽やかな酸味と
ホロ苦さとナチュラルな甘みが特徴。
その他の柑橘類では体験できない食感と味わいは、クセになるとかで、
12月頃から1月2月は、
毎日のように土佐文旦を食べるというファンの方も少なくないようです。
そんな土佐文旦の栄養価と効能は、
まずやはりビタミンCが豊富ですから、風邪の予防に効果的。
またクエン酸も豊富で、体内の酸性物質を減少させる効果や
疲労回復と血をきれいにする働きがあるのだそう。
さらにビタミンEも豊富ですから、
さまざまな生活習慣病の予防や皮膚の老化防止効果もあり、
美容にもいいのだとか。
さらにさらに、カリウムなどのミネラルも豊富で、
血圧を正常に保つ効果や心筋梗塞予防効果もあるのだそう。
その上、ギャバも含まれ、
これにはストレスを抑える効果やリラックス効果があり、
肥満防止や高血圧予防にも効果があるのだとか。
このように文旦は、驚くほど栄養成分が豊富な果物なのです!
ちなみに文旦のじょうのう膜(小袋の薄皮)は普通は食べませんが、
これにはペクチンが多く含まれていて、整腸作用があり、
便秘や腹くだしなどに効果があるのだそうです。
つまりお腹の調子がよくない時には、
文旦をじょうのう膜ごと食べれば効果があるということなんですね。
また、分厚い文旦の果皮には、
オーラプテンという成分が大変豊富らしいのですが、
これには皮膚ガンなどの発ガンを制御する働きなどがあるのだとか。
文旦の皮は、砂糖と一緒に煮てマーマレードにしたりすると
おいしくいただけるそうで、皮にも栄養価がある訳ですから、
無駄にしないで使いきりたいものですね。
また文旦の皮は、香りがすごく爽やかですから、
お風呂に入れても気持ちよさそうです。
さらに、文旦の皮を何度かゆでこぼし、アクと苦みを抜き、
シロップで煮てグラニュー糖をまぶしたり、
乾かしてからチョココーティングしてピールチョコにすると、
とてもおいしいスウィーツになるのだそうです!
では引き続き、チリメンジャコについてご紹介させていただきましょう。
カタクチイワシ、ウルメイワシ、マイワシの稚魚の生を、
高知ではドロメといって、生のままよく食べますが、
それを塩ゆでしたものが関東ではシラス。
ゆでた後に干したものが、関東ではシラス干しです。
関西ではこれらをチリメンジャコと呼びます。
一般に、干してないものは「釜出しチリメン」、
干したものは「釜揚げチリメン干し」などと呼ばれています。
ちなみに今回は、食感の柔らかい、干していない「釜出しチリメン」を使いました。
さらに高知では種類も豊富で、
少し色素がついたものを「かちり」、
大きくなったものを「かえり」と呼んで区別したりします。
これらの稚魚は土佐湾を産卵場にしているため、
高知では鮮度抜群のものが豊富に獲れ、
生でも当たり前に食べられるのです。
チリメンジャコのおいしさもやはり鮮度が命ですから、
高知はチリメンジャコも絶品という訳なのです。
そしてチリメンジャコは、
タンパク質、ビタミンD、カルシウム、マグネシウムが豊富。
特に丸ごと食べられるので、
カルシウム源として大変優れており、
骨粗しょう症などの予防に有効と言われています。
また、核酸を多く含むため、
若さを保つ効果もあるのだとか。
これはチリメンジャコも、
なかなかの効能がある食べ物だと言えそうです。
・・・ならばそんな、土佐文旦とチリメンジャコを使った料理は、
いかに栄養価が高く、効能があることか!
しかも調理が簡単で、おいしいとくれば、
もはや何も言うことなしでしょう!
ところで、私も含め男性陣は、
あまり果物を食べない方が少なくないのではないでしょうか。
特に文旦などの柑橘類は、剥くのが面倒とか、腹の足しにならないとか、
オカズや酒の肴にならないとかの理由で、
滅多に食べないという方も少なくないようです。
そこで今回は、土佐文旦を男性も女性も悦ぶ、見事な酒の肴に変身させる、
簡単料理「文旦のチリメンジャコ和え」をご紹介させていただきましょう。
まずは土佐文旦の皮剥きですが、手で剥くのは大変ですし、
包丁を使うのも面倒だという方にお薦めなのが、
専用の皮剥き器「むっきーちゃん」です。
これを使えば、かなり簡単に分厚い皮を剥けますし、
じょうのう膜にもこの「むっきーちゃん」で切れ目を入れれば、
簡単に実だけを取り出すことができるという優れ物なのです。
今回は、文旦の外側の皮を器にしたいので、「むっきーちゃん」を使って、
「赤道剥き」(赤道の位置で横に真っ2つに皮だけを切る)にしました。
この「赤道剥き」という言葉も、それから今回の料理のヒントも、
私の同級生のマンボこと、松田雅子さんの著書、
「文旦好きがこうじて」を参考にさせていただきました。
高知市で予約が取れないイタリアンとして人気の、
「ラ・プリマヴォルタ」の諏訪さんが作られた、
「文旦とドロメの冷製」がこの書籍に掲載されていますが、
このドロメを生じゃなくて、チリメンジャコに変えてアレンジしたものが、
実は今回ご紹介する「土佐文旦のチリメンジャコ和え」なのです。
さて調理に戻って・・・
文旦の外の皮を剥いたら、今度は身の一房一房を、
これまた「むっきーちゃん」を使って、剥いていきます。
そして、ここがこの料理の最大のポイントですが、
剥いた文旦の身を、つぶさないように注意しながら、
軽く人差し指と親指でつまんでモミモミして、
文旦を一粒一粒に分解するのです!
一見、かなり面倒な作業のように見えますが、
文旦の粒は意外に簡単に分かれてくれますので、
思ったよりは簡単です。
そして、分解されて一粒一粒になった文旦をよく見ると、
何かに似ていることに気づくのではないでしょうか。
そうです!チリメンジャコです!
似ている文旦の一粒とチリメンジャコ一匹の味わいがよく混じり合うように、
文旦を一粒一粒に分解したという訳です。
そして、分解された文旦とチリメンジャコをよく和えて、
「赤道剥き」にした文旦の皮を皿にして、そこに盛り付け、
仕上げに刻んだ青シソの葉を乗せれば、
早くも「土佐文旦のチリメンジャコ和え」の完成です!
味付けは、チリメンジャコの塩分のみで充分ですので、
調味料も何も必要ありません。
そしてさらに、この料理のおいしさを倍増させるには・・・
そうです!今が旬の日本酒を合わせて楽しむことです!
「土佐文旦のチリメンジャコ和え」だけでもおいしいのか怪しいのに、
それがさらに日本酒に合うのかと、
疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、
まあ是非だまされたと思ってやってみてください。
驚きのおいしさと相性の良さを保証しますから!
そして今回合わせる今が旬の日本酒は・・・
「船中八策・薄にごり」(超辛口・純米薄にごり生酒)です!
華やかな上立ち香とフレッシュな含み香を持ち、
ソフトでやらわかな薄にごりの味わいと、
爽やかな後口のキレの良さは、
これぞ超辛口の薄にごり生酒ならではのおいしさなのです。
ではまず、「土佐文旦のチリメンジャコ和え」を一口・・・。
うん、おいしい!
文旦の一粒一粒とチリメンジャコの一匹一匹が、見事に混じり合ってます!
私の感覚では、チリメンジャコ一匹に文旦三粒くらいが、
一番バランスが良いのではないでしょうか。
ちなみに土佐文旦のおいしさは、
その独特のほのかな酸味と苦味と渋味に
かすかな甘味が加わった絶妙なバランスの良さと、
さらに爽やかな香りと独特のプリプリした食感にあります。
そこにチリメンジャコの塩味と旨味が加われば、
酸味・苦味・渋味・甘味・塩味・旨味という、
あらゆる味わいの構成成分が絶妙のバランスでそこに存在することになり、
さらに青シソの独特の風味が見事なアクセントとなって加わり、
そのおいしさは、酒の肴としてもまさに絶品!
しかも、チリメンジャコのフニュッとした食感と
文旦のプリプリした食感が一体になれば、
独特の何とも言えない、心地良い食感になるのです。
さらにそこに、「船中八策・薄にごり」をキュッと・・・。
この酒のフレッシュな含み香と、
薄にごりのやわらかな旨みとほのかな苦みは、
実は文旦の風味と似ており、
さらに青シソに似た風味もほんのわずかに感じられるのです。
似たもの同士は相性が良いというのは鉄則ですから、
これが合わないはずはありません。
つまり、この酒と文旦の持つフレッシュな柑橘類の風味が、
1+1が2ではなく、3にも4にも感じられるほど、
口中いっぱいに膨らんで、体の奥まで沁みわたり、
後口は心地良いほど爽やかにサラリとキレて、
チリメンジャコの塩分や旨味などをキレイに洗い流してくれるのです。
これは、交互にやればいくらでもイケて、止まらなくなる、
クセになってしまいそうな、
大変危険な酒と肴の最強タッグの誕生といえるでしょう!
さて今夜は、この酒と肴の「最強タッグ」をいただき、
残った文旦の皮は浴槽に浮かべ、
文旦湯にゆっくり入ってあたたまり、
自分をチョッピリねぎらってあげるというのはいかがでしょうか?
春夏秋冬、山川海、四季折々のおいしい旬の食材に恵まれた日本。
それら旬の食材を、より一層おいしくしていただきましょう。
そしてそのために、日本酒を上手に活用しましょう。
そんな食生活こそが、あなたの人生を健康で楽しくし、
10倍豊かなものに変えてくれることでしょう。
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■ メルマガ「日本の旬を10倍楽しむ秘訣!」 司牡丹酒造(株)発行
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