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「日本の旬を10倍楽しむ秘訣!」
2015年8月 : 第106回目
皆さん、こんにちわ。
おいしいものが大好きな、土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の竹村です。
あなたは【おいしいものをさらにおいしくして食べたい!】
と思いませんか?
このメルマガは、日本の旬の本当においしいものをご紹介し、
さらに一層おいしくして楽しむ秘訣も併せて、
月1回程度のペースでお届けいたしております。
さて今年の高知県の8月は、台風もあり猛暑もあり、
昨年の雨だらけの8月と比べれば、大変夏らしい夏でしたが、
後半に入ってからは、
秋の気配が感じられる日が多くなってきたような気がします。
しかし、今年の夏も、もう終わってしまうのかと思うと、
ちょっとセンチメンタルな気持ちになってしまうのは、
どうしてでしょうね?
さて、そんな土佐の高知の晩夏にふさわしい今回の旬のお料理は、
高知県東部の東洋町あたりの漁師たちが海の上で作る漁師料理、
「鰹の沖なます」をご紹介させていただきます。
ちなみに「なます」とは、「切り刻む」という意味。
鰹を生やタタキや普通に煮たり焼いたりして食べるのに飽きた漁師さんが、
鰹を切り刻んで塩と混ぜて丸めて焼いたというだけの、船上食です。
漁師さんでなくても鰹を日本一食べる高知県民にとっては、
生やタタキで飽きた時や、
少し古くなった鰹の身が冷蔵庫に残っている時などに、
知っていると大変役立つお料理といえるでしょう。
では鰹についてですが、土佐の高知を代表する魚だけに、
これまで何度も取り上げ、何度も解説していますが、
再度簡単にご紹介しておきましょう。
鰹の旬は年に2度あります。
まず初鰹は、土佐では3月末頃から獲れはじめ6月頃までで、
赤身の旨みと香りの良さが命。
そして戻り鰹は、土佐では9月後半頃から獲れはじめ11月頃までで、
脂の乗った旨みが命です。
そして、土佐の近海で活きた鰹がまとまって獲れるのは、
3月末頃から11月くらいまでですから、
12月から3月末頃までは、一般的には冷凍物が出回ることになるわけです。
また7~8月にかけては、鰹は獲れますが、
初鰹とも戻り鰹とも言わないようですから、
今回使う鰹は、初鰹と戻り鰹の間の鰹という感じでしょうか?
次に鰹の栄養価ですが、
まず全体の4分の1を占めるほど良質なタンパク質が豊富で、
これはホルモンの生成に役立つとされているようです。
また、鰹の血合いには、健康増進に役立つビタミンB12、ナイアシン、
鉄、タウリンが豊富に含まれているのだそう。
特にビタミンB12は、魚肉類では最も多い含有量を誇り、
これは貧血予防や、神経のバランスを保つのに
効果があるとされているのだとか。
ナイアシンは血行をよくするほか、二日酔いも予防し、鉄は貧血を予防し、
タウリンには血圧やコレステロールを下げる働きがあるそうです。
さらに鰹には、カルシウムの吸収を促進し、
骨粗鬆症を予防するリンやビタミンDも含まれ、
成人病予防に効果のある不飽和脂肪酸(EPAやDHA)も含まれているのだそう。
つまり、これほど体を内側から元気にしてくれる効果が多い魚は、
他にないと言っても、過言ではないでしょう!
では早速、「鰹の沖なます」を作ってみましょう。
今回は、ご近所の魚屋さんで、鰹のサクを買ってきました。
まず鰹のサクを適当な大きさに切って、タタキにするような感じで、
強火の遠火で、表面だけをサッと炙ります。
今回はグリルを使って炙りました。
次に、その鰹のタタキ状態のものを、まな板の上で、
包丁でトントン叩いて、ミンチにします。
トントントントン・・・。
かなりミンチ状になりましたので、これくらいでいいでしょうか?
次にそこに塩を入れてよく混ぜます。
これにより粘度がでてきて、
つなぎもなしにハンバーグ状態にできるのです。
続いてこれを丸めるのですが、
ホントにまるで鰹のハンバーグという感じになります。
あとは両面を焼けば、出来上がり!
実際は船上で炭火で焼くらしいのですが、
今回はグリルを使って焼き上げました。
さあ、完成です!これは簡単ですね。
見た目もまるでハンバーグです。
魚の焼ける香ばしい香りがして、
これはなかなかおいしそうです!
そして、通常はこのままの味付けでいただくようですが、
今回は今が旬の土佐の柑橘類、
ブシュカンを搾っていただくことにしました。
メインの鰹自体が初鰹でも戻り鰹でもなく、旬とは言いにくいため、
旬の柑橘を搾りかけることで、旬らしさの演出と、
おいしさ倍増の効果を狙ったというわけです。
ちなみにブシュカンも、これまでに何度もご紹介したことがありますが、
土佐の高知独特の香酸柑橘(こうさんかんきつ)類、
いわゆる「酢みかん」の一種です。
正式名称は、餅柚(もちゆ)というそうですが、
土佐ではあくまでブシュカンです。
土佐の「酢みかん」は、7月から9月頃にかけては青柚子、
8月から9月頃にかけてがブシュカン、
9月から10月頃にかけては直七(なおしち)、
10月から12月頃にかけてが熟した黄柚子が出るという流れになります。
そんな「酢みかん」の中で、
最も爽やかな酸味が強いのがブシュカンの特徴です。
高知県外の方は、なかなか入手困難ですので、
この時期に高知に来られる予定がある方は日曜市やその他の街路市
(http://www.pref.kochi.lg.jp/kochi/kochi12.html )にて
販売されていますから、こちらにて購入されるか、
来られない方は、最近はネット通販しているところもありますので、
検索して是非探してみてください。
もちろんブシュカンの代わりに、
青柚子やスダチなどを使っていただいても大丈夫です。
・・・と、いうことで、ブシュカンを半分に切って、お皿に添えれば、
「鰹の沖なます」の完成です!
そしてさらに、このお料理のおいしさをさらに倍増させたいなら・・・
この時期旬の日本酒を合わせていただくこと・・・ですね!
この8月末という時期は、
夏の旬のお酒である「夏生酒」はたいてい既に売り切れており、
秋が旬の「ひやおろし」はまだ販売されていませんから、
どんなお酒を選ぶかは、なかなか思案のしどころです。
夏らしいスッキリとした爽やかさと、
このお料理のおいしさを引き立たせる
旨みとキレの良さを兼ね備えたお酒ということで、
今回は司牡丹の定番の超辛口、
「司牡丹・純米辛口」(超辛口・純米酒)を選ばせてもらいました。
では早速、いただいてみましょう。
まずは「鰹の沖なます」にブシュカンの果汁をたっぷり、
ギュギュッと搾りかけて・・・いただきま~す!
パクパク・・・ムシャムシャ・・・
あ、これはおいしい!
こんなに簡単でシンプルなお料理なのに、
予想していたよりはるかにおいしいです!
鰹の焼き立ての旨みと適度な塩気とブシュカンの酸味が、絶妙です!
そこに、15℃程度に冷やした「純米辛口」をキュッと・・・。
あぁ・・・さらにおいしい!
これはもう、文句なしに最高の酒と肴というか、
酒飲みの方にはたまらない組み合わせなのではないでしょうか?
鰹は確かに旨み成分が多い魚ですから、
刺身やタタキにしていただいても酒の肴には最高ですが、
ちょっとでも鮮度が落ちると生臭さが引き立ちますから、
土佐人には、他県では食べないという方が少なくありません。
しかしこの料理なら、少しくらい鮮度が落ちた鰹を使っても、
大変おいしく食べれますし、
さらに何といっても、タタキ状にしたものをミンチ状にして
塩を混ぜ込んで焼いたという点がポイントでしょう!
「なます」にして塩を混ぜ込むことにより、
いわゆるカマボコのような粘性が出て、独特の食感が生まれており、
さらに焼き立てをすぐにいただくことにより、
鰹に火が通ることで生まれる香ばしさと旨み成分が
驚くほど引き立てられているのです!
鰹の刺身にも、タタキにも、普通に焼いたり茹でたりした鰹にもない、
この料理にしかないおいしさがあるため、
これは漁師料理といっても、バカにしてはいけない、
立派な一つの鰹の料理法といえるでしょう!
しかもそこに、適度な塩分とブシュカンの強い酸味が加われば、
これはもう、酒のアテとして生まれたような、最強の酒の肴になります!
「純米辛口」の旨みで、
「鰹の沖なます」の風味とブシュカンの酸味が一層膨らみを増し、
口中いっぱいに膨らんだかと思うと、潔いほど爽やかに、
後口はサラリとキレるのです。
すると、またこの料理を、無性にもう一口食べたくて食べたくて、
たまらなくなってきます。
そして一口食べれば、また無性にこのお酒が飲みたくて飲みたくて、
たまらなくなってきます・・・。
食べて飲んで、食べて飲んで、食べて飲んで・・・の、
酒と肴の最強の「無限ループ」に
ハマり込んでしまうことは必至でしょう!
春夏秋冬、山川海、四季折々のおいしい旬の食材に恵まれた日本。
それら旬の食材を、より一層おいしくしていただきましょう。
そしてそのために、日本酒を上手に活用しましょう。
そんな食生活こそが、あなたの人生を健康で楽しくし、
10倍豊かなものに変えてくれることでしょう。
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■ メルマガ「日本の旬を10倍楽しむ秘訣!」 司牡丹酒造(株)発行
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