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「日本の旬を10倍楽しむ秘訣!」
2011年1月 : 第51回目



件名:【日本の旬を10倍楽しむ秘訣!】<51>


大変遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
おいしいものが大好きな、土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の竹村です。


あなたは【おいしいものをさらにおいしくして食べたい!】
と思いませんか?
このメルマガは、日本の旬の本当においしいものをご紹介し、
さらに一層おいしくして楽しむ秘訣も併せて、
月1回程度のペースでお届けいたしております。


龍馬ブームに沸いた平成22年も終わり、
新しい年、平成23年がスタートして早くも1ヶ月が経とうとしています。
今年の土佐の高知の冬は、例年以上に冷え込み、
一部山間部では観測史上最低気温、
マイナス8℃以下などという地域もあったくらいです。
今も連日寒い日が続き、寒さが苦手な私はつらい日々を送っていますが、
日本酒造りにとっては寒い方が好条件!
今年も厳寒の中、おいしい司牡丹が醸されています!


さて、そんな寒さがピークの頃になると、
私はこんな懐かしい料理が食べたくなります。
それは、「古漬けたくあんの唐辛子煮」です。
高知市内のお城下に毎週日曜日にたつ「日曜市」に行けば、
強烈な香りの昔ながらの古漬けたくあんの3年物などが、
簡単に手に入ります。
そして、実はこの料理「古漬けたくあんの唐辛子煮」は、
この時期にいただくべき旬の意味があるのです。


もともと高知の田舎のほうでは、
よく家庭でたくあんを漬けていました。
たくあんのもとの大根の旬は冬ですし、
漬け物は寒い時期に漬けたほうがおいしいですから、
だいたい今頃の時期にたくあんを漬けるのです。
すると前の年や、さらにその前の年などに漬けた古いたくあんの中には、
残りものや、変色して悪臭を放つたくあんがあったりします。
そんなそのままでは食べられないような古漬けたくあんを、
昔の人は塩抜きして唐辛子煮にしてよく食べていたのです。
それがちょうど今頃の時期なので、
この料理を食べたくなったという訳です。
さすがに今はそんな悪臭のあるたくあんなど、
逆になかなか手に入りませんから、
今回は3年物の古漬けたくあんを使いますが、
本来はそういう意味のある、冬の旬の料理なのです。


ところで、たくあんなんて栄養があるのかと、
疑問に思われる方もいらっしゃることでしょう。
たくあんとは、干した大根を塩と糠で漬け込んだ漬け物で、
その成分は食物繊維と、カリウムをはじめとするミネラル類、
あとは塩分です。
そう考えると、たくあんは
あまり栄養があるとはいえそうにないのですが、
「ちょっと待った!」の発酵食品なのです!


発酵食品には、例えばヨーグルトのように、
乳酸菌が好む環境をつくりだして
1日くらいで完成させるものもありますが、
古漬けたくあんは日本型長期発酵食品。
寒くて厳しい環境の中を、微生物が生まれ変わりを繰り返しながら
長期間耐えて生き抜いていくというタイプの発酵食品であり、
微生物代謝物質が大変豊富なのです。
つまり古漬けたくあんは、乳酸菌を筆頭に、
様々な微生物たちの生命のパワーが
ギュッと詰まった食品だということなのです。


ちなみに、近年は昔ながらの発酵したたくあんではなく、
調味液などにつけただけの、「漬け物」ならぬ「付け物」が
たくさん出回っていますが、
これらは当然、
発酵食品が持つ効果は期待できませんのでご注意ください。
見分け方は、匂いを嗅いでみればすぐ分かります。
特に古漬けたくあんの3年物くらいになれば、
いわゆる漬け物臭という酸っぱ臭い、
どちらかというと変な香り(私は大好きですが)がしますから。
また、原材料表示があれば、それを見ればすぐ分かります。
大根、糠、塩、ウコン・・・といった物以外の
横文字添加物の表示が少ないほどホンモノだと言えるでしょう。


では早速、「古漬けたくあんの唐辛子煮」を作ってみましょう!
まずは古漬けたくあんを水洗いし、薄切りにしてから、
塩抜きのために水にさらします。
水にさらす時間は、たくあんの状態によって違いますので、
1~2時間ほどの場合もあれば、
1晩さらすこともあります。
私は古漬けの風味が大好きですから、
3年物でも2時間くらいしかさらしませんでした。


続いて、水をきった古漬けたくあんと
刻んだ唐辛子を軽く油で炒めます。
炒める最中の香りは、
それはそれはキョーレツですのでご注意ください。
お次は、刻んだ昆布と水を加え、煮ていきます。
そして、日本酒、砂糖、醤油、みりんなどで、お好みで味付けし、
汁がなくなるまで煮詰めたら完成です!
日保ちの良い料理ですので、作り置きしておくと重宝します。


さて、この「たくあんの唐辛子煮」の美味しさを
さらに倍増させるには・・・
この時期旬の、冬の日本酒を合わせていただくこと。
今回は、高知県唯一の昔ながらの山廃仕込み、
「山廃純米かまわぬ」(山廃仕込純米酒)にキマリでしょう!


山廃仕込みは、酒母仕込みの際、
乳酸の添加という人工的な操作を加えず、
自然に乳酸菌が生えて雑菌を死滅させるように仕向けていくという、
昔ながらの伝統的醸造法。
ですから、ナチュラルな酸味に特徴があり、
古漬けたくあんに似た風味も潜んでいるため、
とても相性が良いという訳です。


さらにこのお酒を、湯煎のぬる燗(40度程度)で味わうと、
酸味が豊かな膨らみに変わり、
それはそれは絶妙な味わい!
燗酒嫌いの女性50人のうち40人以上に
「この燗酒ならおいしい!」
と言わせしめたという味わいはダテじゃない!


では、まずは「古漬たくあんの唐辛子煮」をひと口・・・ぱくり。
古漬けたくあんの乳酸系の酸味、昆布の旨み、
唐辛子のピリ辛みなどが、バランス良く混じり合い、
まさに酒の肴に最適の味わいです。
ここに「かまわぬ」のぬる燗をキュッと・・・。
くぅぅ~~~っ!沁みるっ!
この酒の自然の乳酸の風味、山廃らしい独特の酸味が、
燗によって膨らみを増し、この料理の酸味の余韻を呼び覚まし、
まろやかな膨らみに変えて、口中にゆったりとたなびいていく・・・。
これはヤバイ!交互にやると止まらなくなりそうです!
あぁ幸せ。
古漬けたくあん料理と山廃純米酒のぬる燗なんて、
日本人ならではの組み合わせ。
ありきたりですが、日本人に生まれてホント良かった!


春夏秋冬、山川海、四季折々のおいしい旬の食材に恵まれた日本。
それら旬の食材を、より一層おいしくしていただきましょう。
そしてそのために、日本酒を上手に活用しましょう。
そんな食生活こそが、あなたの人生を健康で楽しくし、
10倍豊かなものに変えてくれることでしょう。


■「山廃純米かまわぬ」はこちらをクリック!
  http://www.tsukasabotan.co.jp/tukasa/teibanGoods/Junmai.htm

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